この記事は Trick or Mindのスタッフ である Alice (非マジシャン)によって書かれています。

(管理人JEANより)

 


 

最近よく耳にするフレーズで「マジシャン殺し」という言葉があります。

私の周りが特別使っている言葉なのかもしれませんが、一体どういうことかと言うと、「マジシャンを惹きつけ、悩ませるマジック」というものです。

このマジシャン殺し、やってやりたい!と思っている人が非常に多い印象です。

トップを狙うという意味では必要な技術なのかもしれません。

 

 

よくマジシャンが見たマジックの感想やレビューを見かけますが、素人目線でのマジックの話というのは案外少ないような気がします。

しかし、マジシャンが知りたいのは「人に見せた時にどうなるのか」「見た人がどう思うのか」という点だと思います。

もちろん同業者間での意見交換も必要だとは思いますが。

 

私は普段マジックを見る機会が、一般の方に比べて非常に多いのですが、全くできないというど素人です。

そんな私が、これからマジックについて思うことを執筆していこうという試みです。

(ど素人と言っても、マジックの技術はある程度知識があり、システムデックの製作に携わったりと、少々一般離れしてはいますが…。)

 

 

今回は、一般にウケるマジックとそうでないマジックについてお話をしようと思います。

 

 

世代にもよるかもしれませんが、一般的に認知度が高いのはMr.マリック、セロ、DaiGoあたりでしょうか?

しかし不思議なことに、それぞれ何を持ちネタにしているのかというのは案外覚えていません。

結局覚えているのはキメゼリフのような「きてます」といった言葉です。

 

もちろんTVなどで何度も見続ければ「ああ!これ前に見たな」というように思い出すことはできますが、一般のTV番組がやっていたからマジックを見ていたような友人に聞いてみても、「人は分かるけど何やってるか分からない。」とのこと。

私も同じです。

 

現象と人間はあまりセットでは覚えられていないような気がします。

 

なので一番はキャラクターが大事なのかもしれない、と思ってもいるのですが、きっとTVの見せ方の問題でしょう。

日本では特にキャラクターで個性をアピールしているような話を聞きましたが、本当にそのような気がします。

 

しかし、ただその辺でマジックをしている人がキメゼリフを使うと、少々サムイのではなかろうか?と思うのです。

難しいですが、服装や何かの個性が必要ではあるけれどあからさますぎるとちょっと…。というような、あまりマジシャンにとって優しくない環境ではなかろうかと思います。

 

 

結局何か「これは面白い!もっと見たい!」と思えるようなものを持ちネタにすることが一番なのではないでしょうか。

 

 

さて、一般ウケするマジックとそうでないマジックですが、いくつかの条件があると思います。

 

まず前提としてお客さんはマジシャンに「不思議さ」を求めています。

不思議さより面白さだから、面白いものをやるべきだ。という人が居ますが、それはマジックではなくても良いのではないでしょうか。

面白さのみのマジックは、見慣れた人や対マジシャンの場合であれば需要があるのかもしれませんが、一般のお客さんが見た場合は「え?何それ?」となるわけです。

面白さだけでいいなら、ジャグリングや一発芸のほうがよっぽど面白い。マジックである必要が無いのです。

 

次に「見やすさ」が重要で、これは私がよく感じることなのですが、マジックを見ると疲れるのです。

なぜかというと、ミスディレクションのために動きが多きかったり、カバーの為に現象点がズレたりするけれど、そこを目で追わないと何が起きたか分からないからです。

つまり、せかせかと動き回るものを、集中して、ずっと見ていなければいけないから疲れてしまうのです。

 

マジックを見るという状況がとても特別でなかなか無い機会なので、見たい見たい!という人が多いため、あまり気にはならないかもしれませんが、見たいという気持ちにさせることも難しいと聞いたことがあります。

 

 

上記の点をクリアしている人のマジックは本当にウケがいいです。

何をしても基本的にウケがいい。しかも見ていて疲れないので、1ルーティンをじっくり見てくれる。

気持ちよさそうにマジックをしているなぁと思います。

 

 

今のお客さんはTVで見たことある!や、YouTubeで種明かしを見た!という人が少なからずいるので、簡単なアンビシャスや原理系は見破られてしまう危険があるかと思います。

特にそのような事も聞いたことが無くウケも良く、安定しているなと感じるのはメンタルマジックとマニュピレーション。

特にメンタルマジックを主としている場合は、見せ方が違うだけで原理はアンビシャスというマジックの場合にも、お客さんが「知ってる!これは●●ってやるんだよ!」というように大声でネタバレをしたとしても、他のお客さんが「まさか!こんなにすごいことが出来るんだ。別のことをしているに決まってる!」というフォローまでしている場面に遭遇したことがあります。

 

 

と、いうように、反応に安定を求めるならメンタルとマニュピレーションかと思います。

 

ですが一番はやはり見せ方と雰囲気作り。

今のマジックのまま、見せ方やルーティン、現象点の位置に注目をして、改善をすると良いのではないかと思います。

 

(Alice)